黒子のバスケ

緑間真太郎

熱い額

高校一年の時、母校のバスケ部の試合を見に行った。

そこで私は緑間真太郎に一目ボレ。

同中の高尾の協力もあり、高校二年から彼と付き合う事が出来た。

(俺のおかげだから何か奢れって言葉は聞き流してる)

そして高校三年のウインターカップが終わろうとしていた。

控室では最後のミーティングが行われている。

しばらくすると選手が出てきた。

「真ちゃん中だぜ。よろしくな」

と高尾君が私の肩をポンと叩いた。

そして私は1つ深呼吸をしてドアを開ける。

室内はまだ熱気が残っている。

丁度私に背中を向ける形でベンチに座る真太郎。

アップで体が温まっているからか、呼吸も早いようだ。

正面に回れば「おは朝」のラッキーアイテムであるシーサーを抱えていた。

高尾が吹き出すのも分かる姿よね。

「調子は?」

「万全なのだよ」と言って目を伏せる。

2年前は誠凛高校に、去年は洛山高校に敗れて全国2位。

今年こそは桐皇学園高校の青峰君を倒してナンバーワンの座につくだろう。

本当に物凄い努力をし続けてきたんだ。

真太郎は気にしてるみたいだけど、デートが何度潰れた事か。

でも私はその努力している真太郎を見ているのが好きなのだ。

彼ほど努力をしている人を私は知らない。

「私がまだ見たことのない真太郎を見せてね」

「当たり前なのだよ」

そして控室のドアがノックされた。

きっと1年が時間を知らせにきたのだろう。

「時間だよ」

、まだ人事を尽くしていないのだよ」

私は微笑んで、彼の額にキスをした。

「勝利の女神も味方にした俺は絶対に負けん」

そして彼をコートへと送り出した。


2015/10/14